排除
北朝鮮問題に対する言動が党の見解と異なるなどとして、共産党は58年以来の党員の作家萩原遼さん(68)を除籍とした。萩原さんは脱北者支援組織に参加し、在日朝鮮人らの帰還事業をめぐって北朝鮮や在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)を批判してきた。
7日付の同党の通知書などによると、萩原さんが5月24日、朝鮮総連結成50周年の記念パーティー会場近くで朝鮮総連を批判するビラを配ったり、元「赤旗」平壌特派員の肩書で日朝平壌宣言を「白紙に戻せ」と雑誌などで主張したりしたことが、「党の立場や活動の攻撃」にあたるとして「除籍が妥当」と判断された。今月17日、正式に除籍が通告された。
萩原さんは「私が批判している相手は共産党ではなく北朝鮮。除籍は不当」と話している。
共産党広報部は「萩原さんの言動が党の立場と相いれないのでたびたび注意したが、受け入れられず、党員の資格を自ら喪失したと判断した」と話している。
「排除の論理」で異物を排除することでしか証明出来ないものは「正統性」とは言えない。アナ=ボル論争で一貫して優性であったアナ派の提唱するアナ・ボル大連合を潰して結党された日本共産党は、それから80年近く同じことを繰り返してきた。止揚とは異物の排除では決してない。