警鐘

共同体論の1冊ぐらい読んでおけ


終わった…。いや、終わった訳ではないのだが。南に帰ってきた途端に体を壊している。湿熱の邪ゆえか、はたまた試験前恒例の不内外因か。


しかし今回は情報に乏しい。いや、今回に限ったことではない。全員が試験情報を発信して共有するという意識がほとんど見られない。試験直前に「こんな資料あったの?」ということが度々ある。歯学部に在籍する友人の言葉を借りれば、「他人を蹴落として自分(達)だけ受かろうって意識」が根強いのだろう。しかし我々にとって最大の難関である国家試験は「上位○○人合格」の試験ではなく資格試験であり、「蹴落とす」という意識が仇となり「共倒れ」する可能性すら十分あるのだ。


歯学部は今年国試合格率100%。その裏には、組織化されたグループ学習システムと情報共有の徹底があったそうだ。翻って我が医学科の国試合格率は凄惨を極めている。その背景に何があるかは自明だろう。


「ひとりで勉強するほうがいい」というのは個人の自由であるし、その時間が必要なのは当然だ。しかし、その成果を互いに発信・共有する機会と能力を持たない者は、最早社会の成員とは言えない。


社会に出て評価されるのは「よくお勉強しまちたね」とか「頭よいでちゅね」といったことは決してない。そのところを今一度考え直す必要があるのではないか。